ポストカードの版元について

ポストカードを仕入れるとき、現代と同じオフセット印刷(写真製版)よりも、
石版とか木版とか、銅版とか、手彩色とか、
人の手のあとがわかるような技法で作られた物を
できるだけ選びたいと思っています。

中心は19世紀の終わり頃から、1910年代。
1920年代以降、だんだんオフセット印刷が増えてくるのですが、
それでも手彩色を取り入れたり、
石版と組み合わせるなど丁寧な作り方をしたものがたくさんあります。

ただ油彩をカードにする場合は、1900年代の初めであっても、たいてい写真製版です。
また絵柄はすてきでも、
それが1930~40年代以降の場合は、オフセット印刷のことが多いです。

その代表が、TuckとWolfのものです。
Tuckはイギリスのカードメーカーで、初期の頃はドイツで印刷していたのですが、
後に自国での印刷に切り替え、オフセット印刷をはじめます。

Wolfの方は、もともとアメリカの印刷会社で、ベルリンで印刷していましたが、
第一次大戦後はやはりアメリカでの印刷に切り替えました。

人気のClapsaddleのカードもたくさん作っているのですが、
石版のものと、オフセットの物と両方あって、
石版と思って買ったらオフセット印刷だった、ということが何度かあります。
厚手のマットな紙(紙の種類はわかりませんが、水彩用画用紙のような上質紙)を
用いて、水彩の微妙な色合いもちゃんと印刷されているので
画家自身はオフセット印刷を歓迎していたのではないかと思います。


以前にも載せたClapsaddleのカード。Wolfのもので、オフセット印刷です。

当時、最新の技術で印刷されたカードは、むしろ新鮮な感じがしたかもしれません。

しかし、後で記しますが実はClapsaddle自身は、このオフセット印刷を見ていません。
まだ生きていたのですが、見てもわかる状況ではなかったのです。
これについては、あとで書きますね。

オフセット印刷のカードは、石版や手彩色を取り入れたカードに比べ、
全般に安価なことが多いのですが、やはりそこは需要と供給の関係で、
人気の物、美しい絵柄の物は、とても高額になったりします。