ジャーニーマンズマークについて

先月、更新したお品物に、コーヒーポットがあったのですが、あるお客様が以前3点ティーセットで購入されて、同じデザインのコーヒーポットも欲しい、とおっしゃっていたまさにその同じデザインのものでした。

すぐにその方の元へと旅立って行ったのですが、以前の3点ティーセットとコンディションは違うのですが、ひょっとすると本当に元々は同じセットだったのではないかと推測しました。
というのも、そのコーヒーポットは、デザインだけではなく 年代もメーカーも同じ。さらにジャーニーマンズマークと呼ばれる小さな印まで一致していたからです。

ジャーニーマンズマークというのは、ホールマーク・アセイオフィスのマーク、メーカーズマークとは別に刻印された、小さな印のことです。 月や星、丸、三角、四角、そしてアルファベット。ジャーニーマンというのは、一般の職人たちの上に位置する立場の人で、親方のように工房を持っていない人を言います。
チーフ、のような立場でしょうか。
ジャーニーマンズマークについては、まだわからない部分も多く、これから研究が進んでいくだろうと言われています。

元々4点セットだったもののうち、誰かがコーヒーポットだけを気に入って、離れ離れになってしまったのかもしれません。3点ティーセットの方はミントコンディションといっても良いくらい、使用感がなく、一方のコーヒーポットだけがとてもよく愛用されたコンディションでした。

画像を見ると、ホールマークの他に、小さなHの文字が刻印されています。
コーヒーポットのマーク。右端に小さなHのマーク。これがジャーニーマンズマークです。コーヒーポットのホールマーク

こちらは3点ティーセットのマーク3点ティーセットのホールマーク

英国シルバーをお持ちの方は、どうぞお手持ちのシルバーをみてください。ひょっとするとこういう小さなマークが入ったものがあるかもしれません。
以前扱ったものでは、George Adamsのものについていました。
うっかり見逃してしまいそうなこんな小さなマークですが、いろんな手がかりが見つかることがあるものです。