久しぶりに、ポストカードの話題です。
先日、ドイツの方がポストカードを数枚購入されました。
そしてお礼のメールが届いたのですが、
そこには、
..........このカードはもともと100年前にドイツで印刷された物ですね。
そしてフランスで使われ、いつか時が流れて日本に渡り、
またこうして、ドイツに戻ってきました。
地球が小さくなったように感じます。.....とありました。
そうだなぁ、普段あまり考えないけれど、
地球を一回りしたというと大げさですが、いろんな国を旅して来たカードですよね。
補足すると、そのポストカードの画家はイギリス人で、イギリスで企画デザインされ、
ドイツで印刷、フランスで使われた物です。
1890年代後半から1900年代初め、
愛らしい天使を描いていたクラップサドルやブランデージはアメリカの画家でした。
(おそらくアメリカの方が一足先に、一般女性に美術学校の門戸を開いたのでしょう。)
どういう経緯かはわかりませんが、まずイギリスのRaphael Tuckなどにスカウトされて、
ヨーロッパ各国で発行されるカードの画家になったのでした。
100年以上前でもかなりインターナショナルです。
絵はがき画家の地位は低くて、おそらくギャラもあまり良くなかったと思いますが、
それでもたくさんの女性画家がカードの描き手として、活躍するようになりました。
かつて裸体デッサンを禁止され、画家になる道を閉ざされていた女性たちにとって、
美術学校で学んで、その才能を生かす事ができるようになるなんて、すごい事だったと思います。
憧れの職業でもあったでしょうね。
(そうはいっても、まだその当時は、絵を習ったり、
美術学校に通えるのはやはり裕福な家庭の子女に限られていたと思いますが)
可愛らしいイラストの古い絵はがきを眺めていると、
決して平坦ではなかったであろう様々な歴史が浮かんできます。