フランス、伝統的な狩猟の絵

既にご売約となっていますが、フランス製ディナーセットの,フィッシュ用サーバーの絵柄について、少し書いてみます。

フランスをはじめとするヨーロッパは、ほとんどが狩猟民族ですので、伝統的に狩りの場面を描いたものが数多くあります。今回のフィッシュサーバーの絵柄も,鹿狩りの様子を描いたもので、鹿と、あとを追う犬たち、角笛を吹く猟師など、描き出されるものが、ほとんど定番のようになっています。

狩人の着ているものは,中世14〜15世紀頃のものです。

その頃のフランスでは,防寒用のタペストリー(毛織物)の製作が大変盛んでした。
石造りの劣悪な住環境を少しでも良くするため,装飾も兼ねて、領主の館や教会は、色とりどりのタペストリーで壁がおおわれていました。

そのタペストリーの絵柄に,狩猟場面がとても多く見られるので、ここに少し載せてみます。

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下にご紹介しているタペストリーの絵柄ですが,人物や動物の周囲に、
びっしりと植物文様が織り込まれていて、これを千花紋(フランス語でミルフルール)と呼びます。
今回ご紹介したフレンチのフィッシュサーバーも,周囲に植物が彫り込まれていますので、
たぶんこのようなタペストリー模様の影響を受けていると思います。

*一角獣狩り
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*一角獣狩り
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*イノシシ狩り
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*鹿狩り
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この千花紋のタペストリー、たいへん魅力的なものが多く、
その筆頭に上げられるのが,パリのクリュニー美術館「貴婦人と一角獣」のシリーズです。

実は、これ今年4月に、日本で初公開されるので,お時間のある方はぜひ。
すばらしいです。
既に,国立新美術館の方でも,チケットの案内が出ています。
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