シャルダン展
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先日、東京に数日滞在していましたが、ちょうど東京駅丸の内口のお披露目で、
雨だというのに,駅の前は人でぎっしり。
これからしばらくは、気候も良いしで、カメラを構える人がますます増えそうです。
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そのすぐそば、三菱一号館で開かれているシャルダン展を見てきました。
この建物も,東京駅の外観とよく似ていて、歩いているとすぐわかります。
床やドア、階段など創建当時を可能な限り復元しているとかで、
雰囲気のあるとても素敵な建物です。
小さな中庭も,バラをはじめいろいろな植物が植えられていて、
散歩にはもってこいの場所です。
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会場の中のカフェ&レストラン。天井が高くて、ヨーロッパの教会みたいな内装です。
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実はさほど期待してはいなかったシャルダン展でしたが、
もうびっくりな作品が揃っていて、おすすめ二重丸,花丸。の展覧会でした。
(2日続けて行きました)
シャルダンの代表作とされる作品、画集を開けば必ず出て来る作品が次々と…

7月に見たマウリッツハイス展(フェルメールの真珠の耳飾り)以上とも
思える秀逸な展覧会です。
個人蔵のため、めったに見る事が出来ない、
パリのルーブルへ行ってもまず見れない、そういう傑作がいくつも展示されています。

絵はもちろんですが、ロココスタイルの額縁もすばらしかったです。

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シャルダンの中でいちばん好きな絵です。
画像ではあまりわかりませんが、
やわらかな雰囲気のほんとうに愛らしい少女の絵です。
まさか,この作品があるとは思っていなくて、本当にうれしかった。
ガラスがはまってないので、この作品の魅力がダイレクトに伝わって来ます。
ロココスタイルのドレスもチャーミングですね。

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この絵大好きです。カナリアに歌をおしえるための手風琴(セリネット)があって、
女性はそれを回して,鳥に聞かせているのです。
この絵がはめこまれた額縁がとってもよくて、ロココのシェルと、
花々のブーケがふんだんに彫刻された金の額縁でした。

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シャルダンは,子供の絵の優れたのがたくさんあります。
この絵は大変人気があったので、同じ構図で4枚も描いたそうですが、
今回その中で最良のものが2点展示されています。

**今はなぜか、額縁とかあるいは銀器などもそうですが、
工芸品というジャンルにわけられているものは、絵画よりも
一段低く見られる傾向があります。
当時、あるいはそれ以前は、絵画も彫刻も
織物も壁塗りも建築も額縁も皆、職人の仕事であって、その後
絵画彫刻だけが、芸術となってしまうのは、19世紀の後半あたりからでしょうか。

ここで、その見事な額縁をご紹介できないのが残念です。
シャルダン展は来年1月初めまであるそうなので、
お時間のある方はぜひ。

シャルダン展の魅力を紹介しているブログがありました。
館内の様子もわかりますので、ごらんください。(関係者の方らしいです)