アンティーク鑑定士は見やぶる

今週末に,また少し商品をアップします。

「アンティーク鑑定士は見やぶる」(エミールジェンキンス、講談社)という本を読んでいます。

著者のジェンキンスは,ニューヨークで活躍する現役の鑑定士ですが、
アンティーク鑑定士を主人公にしたミステリーで2005年に,作家としてもデビュー。

専門家だけあって、由緒ある銀器のことや、アンティークへの質疑応答、など、
物語とは別の部分でも、たいへん興味深い楽しい内容になっています。
主人公の名前も,スターリング.グラス。

ある高齢の女性が亡くなって,その持ち物の鑑定を依頼されたのだけれど、
さしてお金持ちでもない彼女の遺品の中に、なぜか
Paul Storrの,美術館でもちょっとお目にかかれないような、とびきりのサモワールが見つかり..
しかも,死に方がどうも不自然で,主人公は、色々調べ始める…
(ポールストールは、ジョージアン末期の1800年代初期からビクトリア時代初期に活躍した
第一級の銀職人で、作品の多くが美術館入りとなっています)

まだ途中ですが、
Paul Storr(ポール ストール)のサモワールが、いわばもう一人の主人公なので、
ワクワクしながら読んでいます。
読み終えたら,感想を書きますね。

coffeebiggin.jpg
**Paul Storrのサモワールって、たぶんこのタイプだと思います。
コーヒー沸かしですが、ポットの中にも、燃える炭を入れる部分があって、
現代ではその部分がなくなってしまって、単なるコーヒー入れになってしまってるそうです。

これは、ケトルと同じようにアルコールランプがついていますが、
たぶん、ポットの中は何もない、普通のコーヒーポットになってるようです。
(1830年頃のPaul Storrのもの)
それでも、最低300万円くらいはします。
このミステリーでは、炭を入れる部分が完全に残っている、
超ド級のものという設定で、オークションに出せば
700万くらいになるだろうというもの。
(もちろん、熱烈に欲しがる人がいれば、さらに高額に)

実際に受け取る際には、その価格にBuyer’s premiumが20%ほど上乗せされます。
さらに鑑定料や保管費用、梱包代、保険、送料などがかかってくるので、
受け取り時には、最低でも1000万円近くになるでしょうか。

**これほど立派ではありませんが、近いうちに
Barnardの、アルコールランプのついたウォーターポットをご紹介します。
とてもシンプルですが、Barnardらしい気品あるすてきなデザインです。