おすすめ書籍のご紹介です。
西洋アンティークの目利きになりたい・だまされないように見る目を養いたい、と思っている方に。
本国英国ばかりでなく、骨董好きの間で人気の高い書籍です。
お値段がちょっと高いですが、一冊手元にあると便利ですね。
お気に入りのアンティークがみつかったときに、辞書のように引くのがいいと思います。
(海外のamazonで、英語版は千円ちょっとで買えるようですが、やっぱり日本語で読みたいですよね。
アンティークやビンテージのもので気に入ったものを見つけた時、どこに注意してみればいいか、代表的な例を挙げて、わかりやすくシンプルに書いてあります。
ただ、ちょっと残念な点が2つ。
西洋アンティークをかなり幅広く扱っていますが、
ジュエリーとレースは除外されています。
ジュエリーやレースは、専門の知識が特に必要とされるということでしょうか。
それなりに解説しようとすると、この本には収まらないということかもしれません。
そして、シルバーの部分の説明を読んで気づいたのですが、
訳者は、アンティークの専門家ではないようで、訳文がいまいち正確でない部分があります。
エンボス(打ち出し)についての説明で、
”エンボス(打ち出し)はチェイシングの結合部に用いられることが多い”、となっていて、どういうこと?
結合部ってなに?と思ってしまいます。
原文がどうなっているのかわかりませんが、
シルバーの装飾でよく用いられるチェイシングとは、
*まず裏側から打ち出し(エンボス)をして、凹凸をつける。
*できた凹凸部分に、今度は表側から、チェイシングという装飾模様をつけるのです。
つまり、エンボスとチェイシングは、組み合わせて用いられることが多い装飾技法です。
広く浅く、知識を得るための本なので、これでもいいのかな。ちょっと気になった点です。
そうはいっても、ジュディスミラーさんは、BBCのアンティーク番組でも鑑定しているすごい方です。
気に入った品物を見つけた時、ひととおりの知識を身につけるにはとてもいい本だと思います。