バーミンガム銀器の魅力 ― ジョージ・ユナイトとジョセフ・ウィルモア

19世紀のバーミンガムを代表する銀職人のひとり、George Unite(ジョージ・ユナイト)。
彼は98歳まで生きたと伝えられ、当時としては驚くべき長寿を誇った職人でした。長く工房を構えたことで、数多くの美しい銀器を世に残し、その名は今もコレクターに愛されています。

目次

師匠・ジョセフ・ウィルモアの仕事

ジョージ・ユナイトは、若い頃に**Joseph Willmore(ジョセフ・ウィルモア)**に弟子入りしました。
ウィルモアは、キャディスプーンや小物で高い評価を受けたバーミンガムの名工。彼の工房では繊細で華やかな装飾が得意とされ、現在でも作品は人気があります。

(右の写真)こちらはキャディスプーンではありませんが、ジョセフ・ウィルモア工房の銀器。愛らしいソルト入れです。

同時代の工房 ― Hilliard & Thomason

一方で、同じバーミンガムで活動していた**Hilliard & Thomason(ヒリアード&トマソン)**も見逃せません。
こちらは彼らの手によるバターナイフ。力強いシェル型のフォルムと、洗練された装飾が特徴的で、同じ街の工房ながらまた異なる個性を感じます。

バーミンガム銀器の奥行き

こうして師匠ウィルモアの作品と、同時代の別工房の作品を並べてみると、19世紀バーミンガムの銀器文化の奥行きが見えてきます。
ジョージ・ユナイトの長い人生の背後には、師の存在や同時代の仲間たちの切磋琢磨がありました。

銀器を一つ手に取ると、その背後に広がる職人たちの物語や街の歴史まで感じられる――それこそが、アンティークシルバーの最大の魅力ではないでしょうか。