以前から、???と思ってたことがあるので、ちょっと書いておきます。
シルバーのポットで容量を示すときに、よくカップ5杯分です、6杯分です、とか書いたものがありますが、その場合のカップ一杯とは何ccでしょうか。
アンティークのカップをご使用になっている方もかなりいらっしゃると思います。
手元にある「英国紅茶の館」(仁田大八著。東京書籍、絶版ですがamazonでまだ買えます)によれば、
*ティーカップに満杯にするとほぼ200cc,8分目までいれると、133cc.
これは現代のどのティーカップでもほぼ同じ容量なのだそうです。
なので、シルバーポットのときの、カップ何杯分、というのはほぼ130ccが基準になっているようです。
**ところが!
アンティークのカップはもっと小さいのです。
満杯にしても170~180cc.
8分目まで注いで、100~110ccなのです。
戦後、今の大きさになったのでしょうか。
パラゴンのローズハンドルは1930~1950年代に作られたものですが、
満杯にして170ccです。
シェリーのデインティシェイプも1960年頃まであったはずですが、やはり170cc。
ではアンティーク、ビンテージのカップが全てそうなのかというと…
リモージュアビランドのものはヴィンテージでも200cc以上のものが多いのです。
(なので、カップ一杯分は130cc)
どうしてこうなっているのかわかりませんが、ともかく、アンティークのカップでお茶される方は、このことを知っておくと良いと思います。
下の画像は、以前に扱かったコールポートのティーセット、人気のデザインですが、これも1カップ100ccです。
こちらも、1カップは 8分目まで注いで、100ccです。
とにかく気になったので、いろいろのカップで測ってみました。
下のセーブルカップは、見た目、小さく見えるので、もしかして100ccより少ないのでは?と思いましたが、やっぱり100ccです。
カップの容量、まとめ
ということで、ティーカップの容量は、
現代のもの:130cc
アンティークのもの:100cc
ただしリモージュ:現代のティーカップと同じく130cc.
すごい発見!
カップの容量が 130ccになったのは、戦後少しずつの変化かも
いつごろからこうなったのかも、興味あるところですが、リモージュは比較的に新しいので、現代のカップと同じ容量なのかもしれません。
*パラゴンのローズハンドルは、1920年代から1940年代にかけて作られましたが、やはりまだ100ccです。
リモージュ、ドイツのヴュルテンブルグ、も調べましたが、時代の比較的新しいものは130ccのことが多いようです。
古いマイセンはいま手元にないのでわかりませんが、現代のものはもちろん130ccです。
この話題、引き続き調べていきますね。
アンティークシルバーのティーポットで入れる場合、アンティークやビンテージを使われる方も多いと思いますが、覚えておかれると良いと思います。
**「英国紅茶の館」の著者、仁田さんは、お茶の水でサーモピレーという
伝説の英国紅茶専門のティールームを20年間、運営されていました。
私もこの本の出版に少し関わらせていただいたので、ご本人に何度かお会いしたことがあります。
いろいろ紅茶のことをお聞きしたのですが、本当に、本当に詳しい!
特に、英国紅茶の歴史は、具体的な資料がたくさん載っていて
かなりマニアックですが、とてもよくわかります。
トリビアの泉で、英国紅茶がテーマになった時も資料協力したそうですが、
スタッフがあまりに紅茶のことを知らなくて残念!とおっしゃっていました。