少し前、薔薇と小鳥を彫り込んだアイボリーの愛らしいナイフを見つけてしまい
仕入れるかどうかずいぶん迷いました。
なぜかといえば、お花に小鳥を組み合わせたモチーフは、
ジャポニスムだと思い込んでいて。
梅にうぐいす、っていうのが頭にあったのです。
ジャポニスムの銀器はちょっと好みからはずれます。
でもバラと小鳥というモチーフはどこかで見たはず..と
思い出しました。
ポンペイの壁画です。
2000年も前に,既にこのように薔薇が栽培されていたことにも驚きますが、
この愛らしいモチーフはずっとずっと定番デザインだったのでしょうね。
一昨年、上野の西洋美術館で、
実物のこの作品を見て、とても感激しました。
絵から、はっきりした「気」がでているのです。
2000年の時を一瞬で飛び越えて、タイムスリップしたよう。
当時の空気をそのまま吸っているようでした。
出土した銀器類も、すばらしかった!
今の物だといってもおかしくないほど、
洗練され完成されたデザインです。
まだポンペイは行ったことがことがありません。
いつか必ず行こうと思っています。
というわけで、これが1899年英国製純銀ケーキナイフのハンドル部分。
ナイフのブレード部分にも薔薇と小鳥がエングレーヴィングされています。